木密地域で実現する自然光を生かした居住空間
敷地は、木造住宅が密集して建ち並ぶ墨田区東向島に位置する。住宅分譲地として区画された旗竿地に建つ築30年の戸建て住宅を改修する計画である。施主は子どもが生まれた時期にこの家を建てたが、子どもたちが独立した現在は、夫婦ふたりでの暮らしにふさわしい住まいへと更新することを望んでいた。かつて駐車場だった隣地に建物が建設されたため、1階のリビングにはほとんど自然光が届かず、一日を通して暗い環境であった。一方で、周囲の建物は低層であるため、2階では開口の取り方を工夫することで明るく快適な住環境を実現できる可能性があった。そこで、長い時間を過ごすリビング・ダイニング・キッチンを2階へ移し、周囲の建物の隙間を巧みに捉えるように開口を計画した。これにより、視線は近隣の屋根越しに抜け、明るさとともに広がりのある空間が生まれた。什器が並び閉塞感を生じやすいキッチンを既存のトップライト下に位置するように計画し、上方からの光で開放感を与えている。天井裏に隠れていた屋根の軸組はあらわしとし、天井が高く開放感のある居住空間を形成した。経年変化によって濃く沈みがちな木部には、半透明の着色塗装を施し、木目の表情を生かしながら軽やかで爽やかな印象へと仕上げている。
所在地 : 東京都墨田区 工事種別 : 改修 用途 : 専用住宅 構造・階数 :木造、地上2階 延床面積 : 90.7㎡ 設計 : REIVER一級建築士事務所、古川智望 施工 : 株式会社エービーシーホーム 施主 : 個人 運営 : – 竣工 : 2025.9
風景と一体化した居住空間
敷地は西と南に崖地を抱え、三島市街や香貫山を望む豊かな眺望をもつ。 この地形条件を最大限に活かし、リビング西側には大きな開口を設け、室内にいながら街と山の風景を取り込む計画とした。 リビングと連続する広いテラスは、内外の境界を曖昧にし、自然と一体となった居場所を生み出している。 リビング・ダイニング・キッチンは一続きの大空間とし、ロフトを含めて家族全員が活動をシェアできる構成とした。 さらに地下には基礎と一体化したRC造の空間を設け、遮音性を活かしたプレイルームと寝室を計画。 内部の生活と外部の風景を重ね合わせ、都市と自然が響き合う居住空間を実現している。
所在地 : 静岡県三島市 工事種別 : 改修 用途 : 専用住宅 構造・階数 : RC造+木造、地上1階地下1階 延床面積 : 146.8㎡ 設計 : REIVER一級建築士事務所、古川智望 施工 : 株式会社セットアップ、株式会社みらのわ、株式会社佐恭 施主 : 個人 運営 : – 竣工 : 2025.7
民泊×シェアハウスの複合拠点
「hotorino」は、暮らしと旅の中間に位置づけられた、沼津の街の魅力に触れることを目的とした複合施設である。ゲストハウスとして短期の滞在を支えつつ、シェアハウスとして中期的な暮らしを可能にすることで、利用者に沼津市での生活を具体的に体感できる機会を提供している。これは移住希望者にとって重要な「トライアル居住」の場であり、沼津市が進める移住定住推進施策とも連携している点に大きな特徴がある。施設は沼津駅から半径1キロ圏内という利便性の高い立地にあり、代表的な地域資源である狩野川の風景を存分に楽しめるよう、広い共用ラウンジを設計の中心に据えている。このラウンジは居住者や宿泊者の交流の場であると同時に、狩野川沿いの遊歩道から内部の様子を眺められる構造となっており、まちなかでの暮らしを外に開いた「ショーケース」として機能する。単なる宿泊施設ではなく、地域の風景や暮らしそのものを体感させる仕組みを備えることで、都市と地域をつなぐ拠点となることを目指している。
所在地 : 静岡県沼津市 工事種別 : 改修 用途 : シェアハウス、住宅 構造・階数 : 鉄骨造、地上3階 延床面積 : 98.9㎡ 設計 : REIVER一級建築士事務所 施工 : BAUM、大設サービス(株)、(株)左恭 施主 : YAMASE 運営 : YAMASE 竣工 : 2025.6
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まちなかで過ごす日常を創る
「OPEN NUMAZU 2023」は、半年間にわたり仲見世商店街周辺に滞留空間を常設し、人が自由にくつろぎ交流できる「まちなかのリビング」を実現した挑戦的な社会実験である。長期にわたる運営には、地域住民や事業者との丁寧なコミュニケーションが不可欠であり、空間の維持管理や什器の貸出などを通じて店舗や来街者の理解と協力を得ながら展開された。また「OPEN NUMAZU Weekend」では毎月テーマを設け、市内の多様なプレイヤーが集い、音楽やアート、クラフトなどを切り口に交流を促進。これにより駅周辺に多様な人やコミュニティが生まれ、かつて中心市街地にあった日常的なにぎわいと風景を取り戻すことを目指した。成果として多くの新規参加者が関わり、公共空間を基点にしたまちづくりの可能性を広げた。
住所 : 静岡県沼津市 企画 : REIVER一級建築士事務所 運営 : REIVER一級建築士事務所 実施 : 2023.7 – 2023.12 写真:磯村拓哉 動画:磯村拓哉
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空きビル活用を促進する仕組みのデザイン
「_ for now」プロジェクトは、長期空室となっていたビルを一定期間低廉な利用料で事業者に試験利用させ、出店者と所有者の双方に利点をもたらす仕組みとして始まり、これまで十数年空いた複数物件に新たな入居を誘致してきた。三年目の対象は「大興ビル」で、視認性の低い3階フロアを事務所や塾など特定需要向けに活用するため、1室をフリーのレンタルスペースとして整備し、希望者が試験的に利用できる仕組みを導入。これによりテナント候補の発掘を進めた。さらに道路区画整理で整備予定の広場を工事前に暫定活用し「そえちプチマルシェ」を開催、地域交流を促し、空きビル活用をまち全体に波及させる新たな展開を模索した。
住所 : 静岡県沼津市 企画 : REIVER一級建築士事務所、ペンギン建築設計室(共同体) 実施 : 2023.7 – 2024.3
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公共空間活用を日常の風景にする
「OPEN NUMAZU 2022 ARCADE」は、公共空間を人中心の居心地の良い場として開放し、まちなかの回遊性や滞留を促進することを目的とした沼津市の社会実験である。2022年10月27日から11月15日までの約3週間、仲見世商店街を会場に実施され、オリジナルの椅子やテーブル、人工芝などを設置して商店街の空間を「滞在できる場所」として演出した。期間中は読み聞かせやストリートピアノ、将棋といったイベントも催され、来訪者が多様に過ごせる環境を整備。結果として滞留空間を設けたエリアでは歩行者数が約1.5倍、滞留者数は商店街全体で約2.1倍に増加し、座って過ごす人に限れば約3.4倍に達するなど、商店街全体に波及効果が確認された。本取り組みは、商店街の魅力向上とともに、公共空間の新しい活用可能性を示す試みとなった。
住所 : 静岡県沼津市 企画 : REIVER一級建築士事務所 運営 : REIVER一級建築士事務所 実施 : 2022.10 – 2022.11 写真:磯村拓哉 動画:磯村拓哉
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空きビル活用を促進する仕組みのデザイン
「_ for now」プロジェクトは、沼津市のまちなか居住促進事業から派生した空きビル活用の新たな仕組みである。長期間空室となっていたビルを対象に、物件所有者と協力し、一定期間低廉な利用料で複数の事業者が試験的に出店する仕組みを導入。出店者にとっては事業展開の可能性を確かめつつ地域への愛着を育む機会となり、所有者にとっては入居者や事業内容を事前に確認できる安心材料となる。これにより十数年から二十年以上空いていた物件にも新たな入居者を誘致し、交流や新規事業が生まれるなど、まちなか再生の契機となっている。
住所 : 静岡県沼津市 企画 : REIVER一級建築士事務所、勝亦丸山建築計画(共同体) 実施 : 2022.7 – 2023.3
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空きビル活用を促進する仕組みのデザイン
「_ for now」プロジェクトは、沼津市のまちなか居住促進事業から派生した空きビル活用の新たな仕組みである。長期間空室となっていたビルを対象に、物件所有者と協力し、一定期間低廉な利用料で複数の事業者が試験的に出店する仕組みを導入。出店者にとっては事業展開の可能性を確かめつつ地域への愛着を育む機会となり、所有者にとっては入居者や事業内容を事前に確認できる安心材料となる。これにより十数年から二十年以上空いていた物件にも新たな入居者を誘致し、交流や新規事業が生まれるなど、まちなか再生の契機となっている。
住所 : 静岡県沼津市 企画 : REIVER一級建築士事務所、勝亦丸山建築計画(共同体) 実施 : 2021.7 – 2022.3
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遊休スペース活用を促進するツール
タイニースタンドは、まちの遊休スペース活用を促進するために開発されたコンパクトで柔軟性の高いツールである。折りたたみ可能な構造により、広場や道路、空き地など多様な場所で展開でき、輸送効率にも優れている。特に、コンパクトに収納できることから全国各地への配送コストを大幅に削減し、イベントや実験的活用のハードルを下げることが可能である。素材には木材を使用し、環境負荷を抑えたサステナブルなプロダクトである点も特徴である。また、工具を用いずに誰もが簡単に組み立てや撤収に参加できる仕組みを備えており、そのことによりイベント運営における設営・撤収の手間を大幅に削減し、運営の持続可能性を支える。こうした特性を通じて、タイニースタンドは遊休スペースの利活用とともに、まちに新たな交流や賑わいを生み出す基盤となる。
住所 : 静岡県沼津市 企画 : 株式会社タイニースタンド 運営 : 株式会社タイニースタンド
タイニースタンド・ホームページ
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