HOUSE-03 東向島 S邸
木密地域で実現する自然光を生かした居住空間
敷地は、木造住宅が密集して建ち並ぶ墨田区東向島に位置する。住宅分譲地として区画された旗竿地に建つ築30年の戸建て住宅を改修する計画である。施主は子どもが生まれた時期にこの家を建てたが、子どもたちが独立した現在は、夫婦ふたりでの暮らしにふさわしい住まいへと更新することを望んでいた。かつて駐車場だった隣地に建物が建設されたため、1階のリビングにはほとんど自然光が届かず、一日を通して暗い環境であった。一方で、周囲の建物は低層であるため、2階では開口の取り方を工夫することで明るく快適な住環境を実現できる可能性があった。そこで、長い時間を過ごすリビング・ダイニング・キッチンを2階へ移し、周囲の建物の隙間を巧みに捉えるように開口を計画した。これにより、視線は近隣の屋根越しに抜け、明るさとともに広がりのある空間が生まれた。什器が並び閉塞感を生じやすいキッチンを既存のトップライト下に位置するように計画し、上方からの光で開放感を与えている。天井裏に隠れていた屋根の軸組はあらわしとし、天井が高く開放感のある居住空間を形成した。経年変化によって濃く沈みがちな木部には、半透明の着色塗装を施し、木目の表情を生かしながら軽やかで爽やかな印象へと仕上げている。
所在地 : 東京都墨田区
工事種別 : 改修
用途 : 専用住宅
構造・階数 :木造、地上2階
延床面積 : 90.7㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所、古川智望
施工 : 株式会社エービーシーホーム
施主 : 個人
運営 : –
竣工 : 2025.9
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