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限界集落再生の手法を検証する拠点
静岡県沼津市戸田に位置し、山と海に囲まれた自然豊かな環境の中で、地域の魅力を体感できる拠点である。
人口減少が進む中で「関係人口」を増やすことを目的とし、地域住民と外部の人々が連携し知恵と仕事を共有する場としてREIVERにて企画・設計・運営されている。
改修にあたっては既存建物の残置物の再利用や地域木材の利用を積極的に行い、環境負荷の低減に配慮している。
この施設は、限界集落再生の手法を検証する場でもあり、築約60年の建物をリノベーションし、宿泊施設、カフェ&バー、レンタサイクルなどの機能を通じて地域の価値を再定義する。
訪れる人々に戸田地区の日常=非日常の体験を提供するとともに、地域再生のモデルケースを目指す。
所在地 : 静岡県沼津市戸田
工事種別 : 改修
用途 : ホテル、店舗
構造・階数 : RC造、地上3階
延床面積 : 259.4㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所
施工 : サンケン工務店
施主 : REIVER一級建築士事務所
運営 : REIVER一級建築士事務所
竣工 : 2019.6
写真 : 良知慎也
動画 : 福島剛、藤田祐介
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秘境の空気を届ける珈琲焙煎所
静岡県沼津市戸田に位置するクラフトコーヒー焙煎所であり、REIVERが手がける戸田地区まちづくり事業の一環として設立された。地域の魅力を活かし、Tagore Harbor Hostelと連携することでまちの動線を形成し、回遊性を促進することで賑わいを創出することを目的としている。この施設は塗装工場をリノベーションし、既存建物の特徴を活かしつつ、地域の木材や廃材を再利用してデザインされた。海辺のテロワールで育った豆を厳選し、小規模で丁寧に焙煎するほか、焙煎体験を通じて訪問者との交流を図っている。地域の自然や文化を感じられる特別な体験を提供し、まちづくりの拠点としても機能している。
所在地 : 静岡県沼津市戸田
工事種別 : 改修
用途 : 店舗、住宅
構造・階数 : 木造+RC造、地上2階
延床面積 : 145.3㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所
施工 : サンケン工務店
施主 : REIVER一級建築士事務所
運営 : REIVER一級建築士事務所
竣工 : 2021.3
写真 : 良知慎也
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風景と一体化した居住空間
敷地は西と南に崖地を抱え、三島市街や香貫山を望む豊かな眺望をもつ。
この地形条件を最大限に活かし、リビング西側には大きな開口を設け、室内にいながら街と山の風景を取り込む計画とした。
リビングと連続する広いテラスは、内外の境界を曖昧にし、自然と一体となった居場所を生み出している。
リビング・ダイニング・キッチンは一続きの大空間とし、ロフトを含めて家族全員が活動をシェアできる構成とした。
さらに地下には基礎と一体化したRC造の空間を設け、遮音性を活かしたプレイルームと寝室を計画。
内部の生活と外部の風景を重ね合わせ、都市と自然が響き合う居住空間を実現している。
所在地 : 静岡県三島市
工事種別 : 改修
用途 : 専用住宅
構造・階数 : RC造+木造、地上1階地下1階
延床面積 : 146.8㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所、古川智望
施工 : 株式会社セットアップ、株式会社みらのわ、株式会社佐恭
施主 : 個人
運営 : –
竣工 : 2025.7
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民泊×シェアハウスの複合拠点
「hotorino」は、暮らしと旅の中間に位置づけられた、沼津の街の魅力に触れることを目的とした複合施設である。ゲストハウスとして短期の滞在を支えつつ、シェアハウスとして中期的な暮らしを可能にすることで、利用者に沼津市での生活を具体的に体感できる機会を提供している。これは移住希望者にとって重要な「トライアル居住」の場であり、沼津市が進める移住定住推進施策とも連携している点に大きな特徴がある。施設は沼津駅から半径1キロ圏内という利便性の高い立地にあり、代表的な地域資源である狩野川の風景を存分に楽しめるよう、広い共用ラウンジを設計の中心に据えている。このラウンジは居住者や宿泊者の交流の場であると同時に、狩野川沿いの遊歩道から内部の様子を眺められる構造となっており、まちなかでの暮らしを外に開いた「ショーケース」として機能する。単なる宿泊施設ではなく、地域の風景や暮らしそのものを体感させる仕組みを備えることで、都市と地域をつなぐ拠点となることを目指している。
所在地 : 静岡県沼津市
工事種別 : 改修
用途 : シェアハウス、住宅
構造・階数 : 鉄骨造、地上3階
延床面積 : 98.9㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所
施工 : BAUM、大設サービス(株)、(株)左恭
施主 : YAMASE
運営 : YAMASE
竣工 : 2025.6
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自然と振る舞うレストラン
湯いずる国(伊豆)の東、伊東。豊かな自然を活かし、昔から観光で栄えてきた。今ではインバウンド需要に応え、多種多様な人々が集う街となっている。そのような地で、無農薬素材にこだわった多国籍料理を振る舞うレストランの改修計画である。商店街から小路に入った先にそのレストランはある。オーナーはインド人の若い女性で、人を惹きつけるパワフルな人物である。オーナーの魅力に吸い寄せられて、路地裏で集えるアットホームな場を目指した。ファサードは路地に対して可能な限り開き、気軽に立ち寄れる雰囲気をつくった。室内の中心には円形カウンターを据えた。オーナーを中心にみんなでカウンター囲み、美味しい料理とお酒に舌鼓を打ちながら団欒する光景が、路地の暗闇を照らすだろう。オーナーは無農薬にこだわっている。それは、「安心・安全」だけを重視しているのではなく、自然本来の姿に敬意“Homage”を表明したいからだ。そんなレストランの空間は、食材だけでなく、来た人皆が自然に振る舞うことができる場となるべきだ。できるだけ肩の力を抜いたデザインが求められている。90角の角材で構成された建具は素朴で力強い。円形カウンターの素材はモルタルの左官材を使用し、下地の木の木目が、あらわれる仕上げとした。シーラーでアクがでないようにすることは可能だが、そのアクも自然の姿と判断し、デザインの一つとした。木の塗装には柿渋を使用し、経年変化で色が渋くなってゆく。建物も共に年を重ねて欲しいという願いを込めた。
所在地 : 静岡県伊東市
工事種別 : 改修
用途 : 店舗
構造・階数 : RC造
延床面積 : 64.8㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所
施工 : サンケン工務店
施主 : Homage
運営 : Homage
竣工 : 2024.6
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Tokyoとつながる旅の中継地
「HERE.Tokyo」は、神田駅近くに立つ地下1階・地上4階の小規模な既存ビルをホテルとして再生したプロジェクトである。1階にはラウンジを配置し、滞在者や訪問者がくつろぎ、出会いを楽しめる場を提供している。エントランスには大きな木製の建具を採用し、連続性を持たせることで、1階ラウンジがまちの一部となるような空間を目指した。ラウンジには小さなキッチンを併設し、飲食物を提供することで宿泊者と地域の来訪者が自然に交流できる空間となっている。2階から4階の客室は、旅行者が我が家のようにくつろげるよう、温かみのある木の風合いを生かした内装としている。また、車通りの多い道路に面していることから、二重サッシを採用し遮音性を高めている。既存の躯体をあえて表現する仕上げにより、リノベーションならではの素材感と空間の個性を持たせ、機能性と心地よさを追求しつつ、地域と繋がるホテルとなることを目指した。
所在地 : 東京都千代田区
工事種別 : 改修
用途 : ホテル
構造・階数 : 鉄骨造、地下1階+地上4階
延床面積 : 140.2㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所
施工 : (株)セットアップ
施主 : (同)MITAS
運営 : (同)MITAS
竣工 : 2024.1
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地域とつながり交流を生む拠点
静岡県沼津市の土木工事、造園工事を主に扱う建設会社の事務所兼用住宅である。1階はラウンジ兼用のワークスペース、レセプションと水回り、2階には従業員のリラクゼーションルーム、プライベートエリアを配置している。建物のボリューム、配置は、向かいにある倉庫として使用している。既存社屋との連携と、地域に開かれた大きなラウンジが道路に面するように検討した。外観を印象付ける大庇は東、南、北面に連続していて、それぞれの用途に合わせて奥行きの異なるものとしている。東側は間口の大きな建具を解放することでラウンジと大きな軒下空間を一体的に利用したイベントの開催や、仕事で使用する機材のメンテナンスなど様々な利用を受け止められるよう、奥行きの深い庇とした。南側には小道を挟み桜並木があり、屋内から連続するベンチに腰掛けることで、桜を眺めながら休憩できる空間を、北側には室外機などの機械置き場となっているため、簡易に雨を防ぐ程度の空間をそれぞれ庇の奥行きを調整して実現している。庇下の外装材、ベンチは内部と連続させることで内外の境界を曖昧にし、外部が内部に入り込むようなデザインとした。ラウンジは無梁の大きな吹抜けとし、2階のリラクゼーションルームと連続することで風が抜ける、外部のような広がりをもつ開放的な空間とした。オーナーは土木工事などの業務の一方で、まちづくりに積極的に関わり、多くの人々との繋がりがあるため、地域の方が入りやすい交流の場として、にぎやかな風景を生み出すことを目指す設計とした。
所在地 : 静岡県沼津市
工事種別 : 新築
用途 : 兼用住宅
構造・階数 : 木造、地上2階
延床面積 : 129.9㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所
構造設計:(株)川田知典構造設計
施工 : 富士峰建設(株)
施主 : (株)大志建設
運営 : (株)大志建設
竣工 : 2023.12
写真:良知慎也
動画:磯村拓哉
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仕事と暮らしが融合する場所
地方の都市部に多く見られる4階建ての店舗付き住宅を、シェアオフィスとレジデンスとして再生したプロジェクト。既存建物の構成を整理し、店舗付き住宅から複合施設へと用途を変更するにあたり、法的要件を検討・整理することで実現に至るサポートを行った。内装は、既存の建物の特徴を極力生かし、コストを抑えつつも利用者にとって快適で機能的な空間を目指した。働く場と住まう場を一体化することで、多様なニーズに応える設計となっている。地域特有の建物形式を活用し、現代のライフスタイルに適応させた空きビルの再生事例である。
所在地 : 静岡県三島市
工事種別 : 改修
用途 : 兼用住宅(オフィス)
構造・階数 : RC造、地下1階+地上3階
延床面積 : 325㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所、古川智望建築アトリエ
施工 : (株)前田建設
施主 : 加和太建設(株)
運営 : 加和太建設(株)、(株)シタテ
竣工 : 2021.7
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日本家屋に暮らすように泊まる
「uminca(ウミンカ)」は、築約70年の日本家屋をリノベーションした一棟貸切の宿泊施設である。本プロジェクトでは、既存建物と内装の趣を極力保全しながら、断熱性や居住性を現代的に高めることに注力した。建物の特徴として、長く伸びる縁側空間を中心に外構をデザインし、縁側が建物と庭をつなぐ重要な要素となっている。また、縁側空間を見下ろす2階テラスを木材で再構築し、立体的に空間を楽しめる構成とした。施設全体に地域の歴史や趣きを残し、懐かしさと新しさを融合して訪れる人々に心地よい滞在と地域の魅力を伝える空間を目指した。
所在地 : 静岡県沼津市戸田
工事種別 : 改修
用途 : ホテル
構造・階数 : 木造、地上2階
設計 : REIVER一級建築士事務所
施工 : REIVER一級建築士事務所、古川智望、古地由莉香
施主 : タートルメゾン合同会社
竣工 : 2021.12
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廃校プールを、未来のフィールドに
スキルパークは、廃校プールという公共資産を再生させた先進的な事例である。行政と民間の連携により実現しただけでなく、公的な場をすべてのホイールスポーツ利用者に開かれた「共存のフィールド」として位置づけた点に大きな意義がある。これにより、安全で多様性を尊重するスポーツ文化の育成と、地域コミュニティの新たな交流の場の創出を目指した。
所在地 : 静岡県沼津市
工事種別 : 改修
用途 : スケートパーク
延床面積 : 325㎡
設計 : REIVER一級建築士事務所、渡会信介
施工 : REIVER一級建築士事務所、渡会信介、BB project
施主 : 沼津市
運営 : 沼津市
竣工 : 2020.1
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